Tudor

時計製造のノウハウ
ファブリックストラップ

チューダーのアイデンティティの一部

チューダーは、自社製品にファブリックストラップを採用するという革新的な方法をいち早く取り入れた。1世紀以上続く、伝統ある手工芸を担う会社が生み出すストラップにより、現代性と洗練性というチューダーのアイデンティティにスタイルという仕上げが加わる。独自の手作業による製造工程を経てチューダーのために開発されたこのストラップにより、時計に最先端のスタイルと快適な着用感をもたらしている。

腕時計業界におけるトレンドセッター

チューダーは、しばしば腕時計業界における流行の仕掛け人としてその名を馳せた。伝統に頼るだけのブランドが多い中、敢えて時代に即した提案をすることで、チューダーは腕時計業界の一歩先を行くブランドとして今もなお知られている。2009年、スイスの高級腕時計ブランドの多くがファブリックストラップに関心がなく、洗練された自身のブランド製品には適さないと考えていた一方で、チューダーには先見の明と最適な環境があった。洗練された腕時計を身に着ける悦びを高めるため、細部にこだわり、追求するチューダーのスタイルワークショップは、ファブリックストラップが持つポテンシャルに気付き、完璧を追求するチューダーの姿勢のもと、伝統的なパスメントリー(飾り紐)会社とともに独自のストラップを製造した。

ミリタリーから得たインスピレーション

これまでに採用された多くのイノベーションと同様に、ファブリックストラップの使用の起源もミリタリーと密接に関連している。1970年代初め、NATOがナイロン糸を腕時計のストラップに使用することを標準化。経済的だが着用感は良いとは言えず、とはいえスポーティで簡単に交換ができるため、2000年からは熱心な時計コレクターたちの間でファブリックストラップへの関心が再び集まった。チューダースタイルワークショップは、ファブリックストラップの採用を決定すると徹底的にデザインを研究し、ヴィンテージスポーツカーのシートベルトシステムからひらめきを得て、長さを調整できるようにした。そして、時計をしっかりと固定するために、「トンネル」というストラップバーを取り入れた。最後に、チューダースタイルワークショップは、今もなお「ジャカード」シャトル織機の技術を使っている、フランスでも数少ない一流の伝統的なパスメントリー(飾り紐)会社にアプローチした。その結果、複雑なデザインを無限に、実験的に試みることができた。また、「ジャカード」の利点を生かし、高いスレッド・カウントで高密度の織りを実現できたことで、ストラップの強靭さだけではなく、柔軟性をも確保したのである。

現在、チューダーは様々なスタイル、製造方法のファブリックストラップを取り揃えている。チューダー ファストライダーやクレア ドゥ ローズのコレクションにもファブリックストラップのモデルがある。この製造方法を開拓したことにより、この上ない上質感、最高の着け心地と耐久性を保証している。今でこそ、ファブリックストラップは腕時計業界でも標準的なものになったが、チューダーが生み出した、かつての革新的な解釈こそがまさに腕時計業界の異端児と呼ばれる所以なのだ。

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