卓越した職人技法
新しいブラックベイ スチールを特徴づける要素は、チューダーの歴史を踏襲している。初期のチューダー ダイバーズウォッチから、その全体的なシルエット、およびドーム型ダイアルとクリスタルを継承している。1958年の名高いRef.7924の卓越したリューズ、通称「ビッグ クラウン」を備える。一方で、スノーフレークとしても知られる特徴的なスクエアが付いた針は、1970年代にフランス海軍が使用されていたチューダー ウォッチより取り入れられた。最大の防水性を強調するダイアル上の赤の表記は、1955年の特定のRef.7923に見られる希少なものである。

サテンブラッシュド
仕上げスチール
ブラックベイ スチールは、41mmケースを特徴とする。回転ベゼルのディスクはスチールから機械加工され、マットな外観と高機能の相対的効果を生み出すため、円形にサテンブラッシュド仕上げが施される。ブラックベイ スチールは、チューダー ダイバーズウォッチの特徴を取り込みながらも、ブラックベイ独特のラインとプロポーションを保っている。

日付機能付き チューダーマニュファクチュールムーブメント MT5612
2015年にチューダーが発表したムーブメントの一つであるマニュファクチュール キャリバー MT5612は、ブラックベイ S&Gモデルのために開発され、初めて日付機能をブラックベイ コレクションにもたらした。

MT5612は、高い精度と堅牢性をもつ高性能キャリバーで、約70時間のパワーリザーブを誇る。例えば、腕時計を金曜日の夜に外し、ゼンマイを巻かなくても、月曜日の朝に使用することができる。このムーブメントは、28,800振動/時(4Hz)でシリコン製バランススプリングを備える可変慣性をもつ振動子により調節される。また、振動子は衝撃と振動に対する耐性を向上させるため、トラバーシングブリッジにより両端を固定されている。自動巻システムは両方向回転で、スイス公認クロノメーター検査協会(COSC)による認定を取得している。

リベット付きブレスレット、
エイジドレザーストラップ、
またはファブリックストラップ
ブラックベイ スチールのブレスレットは、リンクを繋げるリベットヘッドがブレスレットの側面に見えることで知られた、1950年代と1960年代に製造されたチューダー ウォッチのフォールディング リベット付きブレスレットにインスパイアされている。リンクはまた、目立った段状の構造になっていた。それらの美しいディテールは、現代の製造技法を同素材のリンクを用いて統合しつつ、ブラックベイ S&Gのブレスレットに融合されている。

ブラックベイ スチールは、フォールディングクラスプ付きエイジド ブラック レザーストラップを備えている。また、カーキグリーン ファブリックストラップでの展開もある。フランスのサン・テティエンヌ地方で100年続く家業が生み出した伝統的な手法、ジャカード織りの技術を用いたファブリックは、チューダー コレクションの特徴となっている。

チューダーのダイバーズウォッチの歴史は1954年、Ref.7922の誕生まで遡る。人間工学、視認性、高い精度、堅牢性を備えたダイバーズウォッチの長い系譜の始まりとして、この時計にはアメリカ人建築家ルイス・サリヴァンによるアプローチが体現されている。サリヴァンによると「物体の形式はその機能に従わざるを得ない」とし、理想のダイバーズウォッチが持つ美的および技術的基礎を定義した。装飾は控えめ、機能的で信頼性のある道具という存在だった。
最初の7922の着手から60年間、チューダーのダイバーズウォッチは改良を重ね、それぞれのモデルは海軍をはじめ、プロフェッショナルたちから絶大な評価を得ている。ブラックベイ スチールは、並外れたクラフツマンシップを誇るチューダー ダイバーズウォッチの60周年を記念する、象徴的モデルの一つ。
ユーザーガイド
各部の名称
1/5 - リューズ
リューズは時刻や日付を設定したり、しばらく着用しなかった際にゼンマイを巻きあげたりするのに使う。リューズは防水性を確実にするため、ケースにねじ込まれている。リューズ操作後は、必ず十分にリューズをねじ込んで元に戻す。
2/5 - 秒針
秒を示す針。
3/5 - 時針と分針
時刻を示す針。
4/5 - 日付表示
現在の日付を表示する。
5/5 - ベゼル
逆回転防止ベゼルにより潜水時間が正確に測定できる。安全のため、ベゼルは一方向にのみ回転する。また、意図しない回転を避けるため、ゼロマーカー(三角のマーク)が12時の位置にある時には、あえて回転しにくくなっている。
時計を設定する
ステップ 1/4 - リューズがねじ込まれている状態
チューダー ウォッチはスクリュー式リューズを備えている。これを十分にケースにねじ込むことで、防水性能が保証される。リューズをポジションBまでゆるめると、防水性能は失われる。
ステップ 2/4 - ゼンマイを巻く
はじめて使用する場合や、時計が止まった時には、手動でゼンマイを巻き上げる。ゼンマイを巻くには、リューズをゆるめ、リューズを前方(12時方向)に回す。逆に回しても、ゼンマイを巻くことはできない。
ステップ 3/4 -時刻設定
リューズをゆるめて最後まで引き出すことで、時刻設定が可能。リューズを手前、または前方に回し、時刻を合わせる。この作業を行っている間は、秒針が止まっているため、正確な時刻合わせが可能。
ステップ 4/4
リューズをケースに押し込みながらねじ込む。ホールタイム(基準時刻)の設定が完了。
水中
ベゼルの機能
逆回転防止ベゼルにより潜水時間が正確に測定できる。安全のため、ベゼルは一方向にのみ回転する。
潜水の前に
ベゼルの三角マークが分針の位置にくるまで、ベゼルを回転させる。分針がベゼルの目盛りで潜水時間を示し、暗い水中でも読み取ることができる。
潜水中
分針がベゼルの目盛りで潜水時間を示し、暗い水中でも読み取ることができる。